福昌寺(外ヶ浜町)概要: 浪打山福昌寺は青森県東津軽郡外ヶ浜町字平舘門の沢に境内を構えている浄土宗の寺院です。福昌寺の創建等は勉強不足の為、不詳。古くから隣接する平舘神社の別当寺院だったと思われます。
明治時代初頭の神仏分離令により平舘神社の仏教色が廃されると、神社の本地仏と思われる木造観音菩薩像が福昌寺に移されています。この木造観音菩薩像は寛文6年(1666)に円空上人によって彫刻されたもので平成元年(1989)に外ヶ浜町指定文化財に指定されています。
円空は美濃国(現在の岐阜県)出身の僧侶で全国各地に巡錫しながら独特の作風をもった仏像を彫刻しています。その工程には諸説ありますが寛文6年(1666)1月26日に弘前城下を出立し羽州街道の浪岡宿の西光院と元光寺に滞在した後、青森を経由して油川宿の清満寺に滞在、さらに北上して蓮田宿の正法院、平舘の福昌寺、三厩村の義経寺を経て蝦夷地に渡ったとされます。
又、明治元年(1868)には松前藩(藩庁:松前藩)第13代藩主松前徳広が榎本武揚が率いる旧幕府軍に敗退し舟で逃走する途中に娘である御鋭が死去した為、福昌寺の境内に仮埋葬されています。山号:浪打山。宗派:浄土宗。本尊:阿弥陀如来。
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