浜の明神遺跡(つがる市・十三湖)概要: 浜の明神遺跡は青森県つがる市富萢町屏風山に位置し、「十三往来」に記載されている「浜之大明神」の跡地とされます。案内板によると「 浜の明神は、中世に貿易港として興隆した十三湊の水戸口に航海の守護神として鎮座していた。文久3年(1863)には、湊明神宮境内から119体の仏像や土台石等が出土している。」とあります。
当地は十三湖への出入口として軍事的にも重要視され安東氏からも崇敬庇護されたと思われます。伝承によると厳島神社(広島県廿日市市:安芸国一宮、世界遺産)の分霊を勧請されたとされ、遺跡から数多くの石仏が発見されている事から神仏習合し大きく発展し、祭神や灯台としての目印になっていた事などから十三湊を利用する人々から篤く信仰されていたようです。
安東氏が南部氏の侵攻により津軽地方の支配権を失うと十三湊や浜の明神も衰退しました。
現在の湊明神宮は延宝4年(1676)に改めて速秋津彦命と速秋津姫命の分霊が勧請され創建しています。速秋津比古神・速秋津比売神はイザナギ・イザナミ二神の間に産まれた男女一対の神で、水戸神と同神とされる事から十三湖の水戸口と推定される当地には相応しい神様と言えます。
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