蕪島(八戸市)概要: 蕪島は神の使いとされるウミネコ(魚の居場所を知らせる為、漁民から信仰の対象になっていたと思われます。)の繁殖地として神聖視され「神島」、「神場島」がなまって蕪島と呼ばれるようになったと言われています。
永仁4年(1269)には犬房丸(幕府御家人工藤祐経の子供)がこの地に流され、蕪島が故郷の江ノ島に似ていたところから厳島神社(弁財天)を蕪島の頂上に勧進し、宝永3年(1706)には八戸藩3代藩主南部通信が男子誕生の子宝祈願を行ったと伝えられています。
当初は岸から100m程離れていた単独な島で厳島神社(現在の蕪島神社)の例祭や参拝には渡し舟を使って行われていたそうですが昭和に入り整備が進み昭和17年(1942)に旧海軍により埋め立て工事が行われ、現在見られるように陸続きになりました。
ウミネコは2月から3月にかけて約4万羽飛来し営巣、4・5月に産卵、8月上旬まで子育てを行い旅立ちます。ウミネコの繁殖地は、全国10箇所(八戸市:蕪島・出雲市:経島・陸前高田市:椿島・女川町:江ノ島・酒田市:飛島)ありますが離島や断崖絶壁など人里から離れているのが殆どで、蕪島のように市街地にあるのはウミネコが神格化され保護され住民達と共生できたからではないでしょうか?
蕪島はウミネコ繁殖地として大変貴重な事から大正11年(1922)に国指定天然記念物に指定されています。又、平成8年(1996)には当時の環境庁による「残したい日本の音風景100選」に「八戸港・蕪島のウミネコ」として選定されています。蕪島の周囲約800m、標高約19m、長軸約300m、短軸約140m、面積約17平方キロメートル。
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