延寿院(鰺ヶ沢町)概要: 薬王山延寿院は青森県西津軽郡鰺ヶ沢町大字富根町に境内を構えている曹洞宗の寺院です。延寿院の寺宝の1つである円空作座像観音像は寛文2年(1662)に鰺ヶ沢の猟師が偶然に網にかかったものと伝えられる仏像で「海上漂流黒本尊」の別名があります。
円空は北海道で多くの観音菩薩坐像を残しており、同じ様な仕様で、さらに長時間海水に浸された痕跡が残る事からその内の一体が流れ着いたとも考えられます(円空は青森県内でも三厩村義経寺や蓬田村正法院、むつ市恐山菩提寺、油川浄満寺、田舎館胸肩神社弁天堂、平賀沖舘神明宮、弘前西福寺、大釈迦元光寺、浪岡西光院、平舘福昌寺、佐井長福寺など数多くの仏像を残しています)。延寿院円空仏は昭和41年(1966)に青森県重宝に指定されています。
延寿院の境内にある明和地震供養塔は明和3年(1766)の大地震とそれに伴う大津波の犠牲者を弔う為に建立されたもので、船問屋菊屋善右衛門が現在の兵庫県出身の石工幸四郎によって造らせた宝筐印塔です。
宝筐印塔には正面種字に地蔵、背面に十一面観音、向って右側に吉祥天、左側に不動明王などが彫りこまれ死亡者の戒名も見られることから史料的価値も高く平成元年(1989)に鰺ヶ沢町指定有形文化財に指定されています。山号:薬王山。宗派:曹洞宗。本尊:釈迦如来。
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