湯舟高倉神社(飛龍宮)概要: 湯舟高倉神社は青森県西津軽郡鰺ヶ沢町大字湯舟町字七尾に鎮座している神社です。湯舟高倉神社の創建は不詳ですが次ぎのような伝説が伝わっています。
神話の昔、鬼神太夫、又は紀の太夫と名乗る刀工が霊刀を打ち悪魔を退治、村人は感謝の意から刀工の御霊(又は霊刀、又は悪魔が石化した観音像)を刀を打った湯舟跡に勧請し社殿を建て祀ったと伝えられています。
又、別の伝説では岩木山に棲む大蛇が鍛冶屋の娘に恋をし、鬼神丸という若者に変化し求婚を求めました。鍛冶屋は9日間で10振の刀を打つ事が出来れば娘をくれてやろうと約束しましたが鬼神丸は見事難題をこなしてしまいす。すると鍛冶屋は隙を見て1振を隠した為、娘は無事だったものの、復讐を恐れ村人と相談して鬼神丸の御霊を祭る社を設けたと伝えられています。
その後は飛竜大権現を祭神とする飛竜宮として神仏混合し津軽三十三観音霊場第六番札所としても信仰を集めていました。
明治時代初頭に発令された神仏分離令により形式的には仏式が廃され社号を高倉神社に改められています。ただし、拝殿背後の覆屋内部には4つの小堂が建立され、それぞれ聖観世音菩薩、かなくそ石、高皇産霊命、阿弥陀如来が安置され神仏習合の名残が見られます。
「かなくそ石」は鉄製品を製鉄する際、出る鉱石の「かす」で、神社の由来に通じる神聖な御神体として、その所属を巡って明治4年(1871)に湯舟集落と小屋敷集落との間に抗争が起きたと伝えられています。
津軽三十三観音霊場第六番札所(札所本尊:聖観世音菩薩・御詠歌:いまの世に 神といわれる 鬼神石 庭の砂も 浄土なるらん)。祭神:高皇産霊命。
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