蘭庭院(弘前市)概要: 金平山蘭庭院は青森県弘前市西茂森2丁目に境内を構えている曹洞宗の寺院です。蘭庭院の創建は不詳ですが、後に弘前藩初代藩主となる津軽為信の姉、蘭庭薫香大禅尼が死去すると菩提を弔う為、夫で為信の重臣である兼平綱則が心蓮寿用を召還して開山したと伝えられています。寺号は奥方(正室)の戒名、山号は兼平=金平に因んだもので、当初は居城である兼平館(現在の弘前市兼平)の城下に境内を構えていました。兼平綱則は森岡信元・小笠原信浄と共に大浦三老の一人に数えられた人物で浪岡城攻防戦や大光寺城攻防戦など津軽家の主要の合戦に参戦して功を挙げ子である兼平信秋や孫である兼平信孝も津軽家の家老として弘前藩の発展に尽力しています。
慶長16年(1611)に弘前城が概ね完成すると弘前城の裏鬼門(南西方向)にあたる地に禅林街(領内の曹洞宗寺院三十三ヶ寺が集められた寺町)が町割りされ蘭庭院も現在地に移されました。又、小説家として知られる今官一の縁の寺院で今官一の死後、実家である蘭庭院に葬られています。蘭庭院が管理する栄螺堂は特殊な形態を持ち東北では飯盛山さざえ堂(福島県会津若松市)と御堂だけで、当時の御堂建築の遺構として貴重なことから昭和54年(1979)に弘前市指定有形文化財に指定されています。山号:金平山。宗派:曹洞宗。本尊:釈迦如来。
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