御仮屋(無為館)概要: 御仮屋は青森県西津軽郡深浦町深浦岡町に位置しています。案内板によると「 藩政期風待ち湊として北前船の出入でにぎわった頃、奉行所がこの地に置かれ藩主巡幸の折の旅宿(仮屋)にも使われた。9代藩主寧親公は、特にこの仮屋が気に入られ「無為館」と名づけしばしば逗留した。深浦十二景にも「無為館松風」が撰ばれ、今、松に吹く風に往時が偲ばれる。 津軽深浦 」とあります。
御仮屋(無為館)は寛永12年(1635)、深浦湊が青森湊・十三湊・鯵ヶ沢湊と共に弘前藩(藩庁:弘前城)の四浦に指定された事を受け深浦奉行所として設けられたのが始まりとされます。
近世に設けられた陣屋形式の施設には珍しい標高100m程の高台に位置し、深浦湊の監視や隣接する久保田藩(藩庁:久保田城)に対する防衛拠点として計画されたと思われます。行政的にも当地域の中心として機能し御仮屋(奉行所)の他、城下町(陣屋町)には湊番所や遠見番所、深浦御蔵が設けられていました。
御仮屋(無為館)の規模は東西100m、南北30〜40m程で建物内部には御広間、町年寄り、名主詰所、居間、台所、物置、御用座敷、湯殿などの部屋で構成されていました。明治時代の廃藩置県後に御仮屋は廃されましたが現在でも正門と思われる虎口の形状や土塁と思われる土盛の遺構、鎮守社と見られる小祠などが見られ、昭和49年(1974)には深浦町指定史跡に指定されています。
又、御仮屋跡には展望台が設けられ、そこからは深浦港が一望でき下った所には寺や町屋が集められ小城下町が形成されています。
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