赤岩(津軽半島)概要: 青森県今別町赤根沢は古くから天然のベンガラ(酸化第二鉄)の採掘場として知られ江戸時代は採掘を管理する役人を置いて厳重に管理していたと伝えられています。弘前藩(藩庁:弘前城)の領内にある神社(岩木神社)や寺院で赤い塗装する場合は赤根沢産の顔料が使われていました。江戸幕府にも寛文10年(1670)、延宝3年(1675)、貞享3年(1686)に献上し、享保12年(1727)には日光山に献上し日光東照宮(栃木県日光市、徳川家康の霊廟)にも使われたとされます。江戸時代末期になると顔料の使用頻度も少なくなり次第に衰退し現在でも良好な状況を残しています。又、神格化されていたようで採掘場跡には山神を祀る小祠が建立されていました。赤根沢の赤岩は大変貴重な事から一帯30アールが昭和30年(1955)に青森県指定天然記念物に指定されています。
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