本覚寺(今別町)概要: 始覚山本覚寺は青森県東津軽郡今別町大字今別今別に境内を構えている浄土宗の寺院です。案内板によると「 この寺は、明暦3年(1657)、安長上人によって開かれた浄土宗の寺で、阿弥陀如来を本尊としています。
当寺の第五世住職貞伝上人は、名僧の誉れ高く、地域の産業振興にも尽くした人物。漁師の生活を安じた貞伝上人が、境内の多門天堂に祈願し、経を書いた石を念仏読経とともに、海に投げいれ昆布を根付けさせたといわれ、当地方では、今別昆布は貞伝上人の賜わり物とされており、また、ただ取るだけでなく育てる漁業の先駆者ともいわれております。」とあります。
創建年には諸説あり一説には天元年間(978〜983年)に開かれたのが始まりとされ江戸時代に入り安長上人によって再興され、明暦3年に寺院として認められ始覚山本覚寺の寺号を授かったとされます。
本覚寺境内にある青銅塔婆(総高3.015m、正面に「南無阿弥陀仏」、裏面に地蔵菩薩、側面と余白に貞伝上人の功績)は良船貞伝上人(享保3年:1718年、29歳で本覚寺5世に就任し多くの実績をあげた名僧)が死去すると菩提を弔う為、享保12年(1727)に建立されたもので全国的に見ても大変珍しく技術的、意匠的にも優れている事から昭和34年(1959)に青森県重宝に指定されています(貞伝上人が生前、鋳物師小原安兵衛を招いて制作させ自らは塔婆下の墓穴に入滅したとも)。
又、石仏薬師如来像(像高80cm)と貞伝上人作石佛、善導大師坐像(宝永4年:1707年、中川吉太作、像高27cm)、圓光大師座像(宝永4年:1707年、中川吉太作、像高27cm)、鉦鼓(寛文3年:1663年、藤原氏家作、外径28cm、内径25cm、巾10cm)は今別町指定有形文化財に指定されています。又、太宰治の小説「津軽」の舞台の1つでもあります。
津軽八十八ヶ所霊場第16番札所(札所本尊:阿弥陀如来・御詠歌:灯火の つねに輝く 月影の 光をうけし のりの人々)。山号:始覚山。宗派:浄土宗。本尊:阿弥陀如来。
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