弘法寺(中泊町)概要: 薄市山弘法寺は青森県北津軽郡中泊町大字中里字亀山に境内を構えている日蓮宗の寺院です。弘法寺の創建年には諸説あり慶長10年(1605)又は貞享元年(1684)に日光上人(弘前市:法立寺第七世)が開いたのが始まりと伝えられています。
当初は薄市村(中泊町大字薄市)に建立され実成寺と称していましたが廷宝元年(1672)日禅上人(4世:法立寺第13世)が、現在地(旧中里村)に移し弘法寺と寺号を改称しています。その後、何度か改修再建が繰りかえされ現在の本堂は大正10年(1921)に再建されたもので、宝形造、銅板葺、桁行10間、正面切妻向拝付、向拝妻壁には獅子や龍の精緻な彫刻が施されています。
弘法寺境内背後の高台には正徳3年(1713)に丹波治郎助が七面大天女像を勧請した七面堂(現在の建物は寛保元年:1741年再建)が建立されています。往時は例祭である8月18日・19日に「なにもささ踊り」が奉納されていました。
「なにもささ踊り」は寛文年間(1661〜1672年)に位の高い武家が当地を訪れた際、実成寺(弘法寺)に逗留し、当時の住職が武家の労を癒すため、檀家を集めて躍らせたのが始まりとされ、その後は念仏踊りとして発展し現在でも古式を伝える民俗行事として中泊町(旧中里町)指定無形民俗文化財に指定されています。山号:薄市山。宗派:日蓮宗。本尊:十界曼荼羅。
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