浄仙寺(黒石市)概要: 黒森山浄仙寺は青森県黒石市南中野黒森下に境内を構えている浄土宗の寺院です。浄仙寺の創建は江戸時代中期の享保3年(1718)浄仙和尚(来迎寺七世)が隠居所として浄仙庵を開いたのが始まりと伝えられています。
その後、文政7年(1824)、山崎是空(来迎寺良諦の弟子)が修行中の霊夢により黒森山が霊地と悟り浄仙庵を復興、開山し明治8年(1875)に正式に寺院となり浄仙寺に寺号を改めています。是空は弟子の教育に熱心だった人物でその遺志が引き継がれた寺子屋「黒森学校」には津軽一円から人材が集まり明治20年(1887)には80人を越え大正2年(1913)に閉校しています。
浄仙寺の山門(寄棟、茅葺、三間一戸、八脚単層門、外壁は真壁造、素木板張)に安置されている仁王像は元治2年(1865)、工藤丹十郎が乳井神社(元福王寺)に寄進したものでしたが明治時代初頭に発令された神仏分離令とその後に吹き荒れた廃仏毀釈運動により乳井神社から排除され浄仙庵に移されたもので、昭和59年(1984)に黒石市指定有形文化財に指定されています。
現在の浄仙寺本堂は昭和19年(1944)の火災で焼失後、昭和41年(1966)に再建したもので入母屋、平入、桁行6間、梁間6間、正面1間向拝付、外壁は真壁造り白漆喰仕上げ。津軽八十八ヶ所霊場第31番札所(札所本尊:阿弥陀如来・御詠歌:黒谷と 黒森と名は かわれども 同じ心の すみ染の袖)。山号:黒森山。宗派:浄土宗。本尊:阿弥陀如来立像(伝:恵心僧都作)。
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