山屋薬師堂(七戸町)概要: 山屋薬師堂は青森県上北郡七戸町山屋に境内を構えています。案内板によると「 山屋の薬師堂は、もとは七戸町の西野地区にあったが、その地の神仏と折り合いが悪く、そのを去る途中、草の上でうたた寝していたら野火に気づき、逃げようとして「ところ」のツルに足を取られて倒れ、「ウド」で目をついてけがをしました。
そのため目の治療に願を掛けた人は今でも「ところ」、「ウド」を禁食するといわれています。本尊の薬師如来像は、桂の木の一木造りのナタ彫りで平安時代末期の地方作として優れたものであるといわれています。霊験あらたかとされ、4月8日の縁日には多くの参拝者でにぎわいを見せました。」とあります。
山屋薬師堂の創建は不詳ですが本尊の薬師如来像が平安時代末期作なので、それ前後とも思われます。古くから神仏習合し修験僧の修験の場として利用され薬王院と称してきましたが明治時代初頭に発令された神仏分離令と修験廃止令により神式が廃され仏教色の強い薬師堂に改称しています。
山屋薬師堂の建物は木造平屋建て、宝形造、鉄板葺き、桁行3間、張間3間、正面1間向拝付き、外壁は真壁造り板張り。境内には万延2年(1861)に運送船頭宝永丸與八郎が寄進した狛犬があるなど運送業者からも信仰が篤かったと思われます。
現在は無住になった為、七戸城の城主南部直時の菩提寺である瑞龍寺が管理しています。本尊の薬師如来像は貴重な事から七戸町指定有形文化財に指定されています。
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