川内八幡宮(むつ市)概要: 川内八幡宮の創建は元亀2年(1571)、川内川上流の八幡淵に夜な夜な怪しげな光を放す物体があった為、村人達が拾い上げてみると、後に「三ノ奇石」と呼ばれるようになった1体の石像だった為、それを祀ったのが始まりと伝えられています。
当初は古村に鎮座していましたが、明暦2年(1656)に現在地に遷座し、延宝2年(1674)に正式に宇佐八幡宮(大分県宇佐市)の分霊を勧請して新たに木造の御尊体(妻の神=応神天皇)を新調奉祀しました。
川内湊は北前船の寄港地として田名部七湊の一つとして数えられなど発展した事から、川内八幡宮は特に海運業者や漁業関係者から崇敬庇護を受け社運も隆盛しました。明治時代初頭に発令された神仏分離令により仏式が廃され明治6年(1873)に郷社に列し、明治40年(1907)に神饌幣帛料供進神社に指定されています。
現在の川内八幡宮社殿は明治20年(1887)の火災で焼失後の明治32年(1899)に再建されたもので入母屋、正面千鳥破風、銅板葺、平入、桁行4間、梁間3間、正面1間唐破風向拝付、向拝木鼻には龍、欄間には龍虎、懸魚には鳳凰の彫刻、川内町出身の宮大工熊谷長兵衛が手懸けています。
毎年9月中旬に行われる川内八幡宮の例大祭は少なくとも正徳元年(1711)以前から行われている神事で、当日には上町(辨天山)、中浦町(蛭子山)、新町(大黒山)、浜町(布袋山)、仲崎町(舟山:田村麿像)の5町内の山車が町内を練き、山車としては青森県内最大を誇っています。
川内八幡宮例大祭は平成11年(1999)に「川内の山車行事」として青森県指定無形民俗文化財に指定されています。祭神は誉田別命、大日靈貴命、伊邪那岐命、伊邪那美命、早玉男命、事解男命。
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