白山姫神社(温湯温泉)概要: 白山姫神社(袋の観音)は青森県黒石市袋富山に鎮座している神社です。温湯温泉の温泉街に程近い白山姫神社の創建は、延暦年間(782〜806年)坂上田村麻呂(征夷大将軍)が東夷東征の際、この地に陣を張り袋に入れた勢至観音を大木にかけ戦勝祈願したところ見事念願成就した為、感謝の意を示し御堂を建立したのが始まりと伝えられています。その後、文明年間(1469〜1487年)に南部光政が再興、延徳元年(1489)には浅瀬石領内17社に列しています。元亀2年(1571)、当時の浅瀬石城主千徳政氏が社殿を再建しましたが慶長2年(1597)千徳政康が大浦為信に反旗を翻した為、浅瀬石城は落城し袋の観音も衰退しました。
寛永4年(1627)に村人により袋観音堂として再興され江戸時代中期には津軽三十三観音霊場二十七番札所に指定され大いに賑ったと伝えられています。明治時代初頭に発令された神仏分離令により仏式が廃され明治4年(1871)に改めて白山姫神社と改称されています。廃仏毀釈運動が薄らいだ明治時代後期になると再び袋観音堂が境内に設けられ津軽三十三観音霊場二十七番札所に復しています。
白山姫神社拝殿は木造平屋建て、入母屋、鉄板葺き、平入、桁行3間、正面1間向拝付き、外壁は真壁造り板張り。本殿は覆い屋内部の為不詳。境内の公孫樹は推定樹齢500年、樹高27.7m、幹周7.6m、青森県内でも有数の巨木として貴重な事から黒石市指定天然記念物に指定されています。
津軽三十三観音霊場第二十七番札所(札所本尊:馬頭観世音菩薩・御詠歌:今の世は 弓矢袋に 納まりて 民の竈は 賑わいにけり )。津軽一代様(午年生まれ・一代様本尊:勢至菩薩、伝:弘法大師作)。祭神:伊邪那美命、菊理姫命。例祭:旧6日23日。
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