雲祥寺(五所川原市)概要: 金木山雲祥寺は青森県五所川原市金木町朝日山に境内を構えている曹洞宗の寺院で、創建は慶長元年(1596)、繁翁茂和尚が開いたのが始まりと伝えられています。
伝承によると天正19年(1591)の九戸政実の乱に加担した武田甚三郎が繁翁茂和尚など家臣5人と共にこの地に逃れ菩提寺として雲祥寺を開山したと伝えられています(武田家の後裔は金木屋の屋号を掲げ、地名の由来になったとも云われています)。
武田甚三郎は雲祥寺の由緒では南部櫛引村の領主とされていますが、弘前藩初代藩主津軽為信の父親も武田甚三郎守信(大浦城の城主、大浦為則の弟)の子供という説があります。
年代的にも異なる事から雲祥寺の開基者と為信の父親が同一人物かは不詳ですが弘前藩成立後は庇護され寛文7年(1667)には弘前藩の命により聖眼雲祝和尚(長勝寺十四世)を招き中興開山し、文化8年(1811)に愚全和尚(15世)が中興しています。
現在の雲祥寺山門は享和3年(1803)武田家(金木屋)が寄進したもので三間一戸、入母屋、銅板葺きの楼門建築で上層部は吹き放しの鐘楼堂で下層部の両側には仁王像が安置され寺紋である武田菱が掲げられています。現在の本堂は昭和44年(1969)に再建されたもので入母屋、銅板葺、平入、正面1間軒唐破風向拝付。
太宰治の「思い出」にも雲祥寺が紹介されており中でも寺宝である「十王曼陀羅」は江戸時代中期に制作され木村宇兵衛が寄進したもので幼少期の太宰が興味を持ったと言われています。津軽八十八ヶ所霊場第7番札所(札所本尊:三十三観音・御詠歌:み仏の 誓いはつきぬ 雲祥寺 松吹く風も のりをとくらん)。山号:金木山。宗派:曹洞宗。本尊:釈迦如来。
【 参考:文献等 】
・ 現地案内板(由来)-金木山雲祥寺
・ 現地案内板-NPO法人 かなぎ元気倶楽部
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