薄市観音堂(中泊町)概要: 薄市観音堂は青森県北津軽郡中泊町薄市薄市山に境内を構えている御堂です。薄市観音堂の創建は元禄元年(1688)薄市山山頂に千手観音安置したのが始まりと伝えられています(ただし、貞享4年:1687年に編纂された検地水帳に記載されている事から、これ以前から存在していた可能性が高いとされます)。
寛延4年(1751)の記録には既に津軽三十三観音霊場十五番札所になっていた事が記されています。その後、参拝が容易で災害に安全な現在地に移され寛政年間(1789〜1801年)には飛竜大権現が勧請された事で神仏混合し、飛竜宮と称されるようになりました。
明治時代初頭に発令された神仏分離令とその後に吹き荒れた廃仏毀釈運動により仏式が廃され明治6年(1873)に大山津見神を祭神とする大山津見神社(山神宮)に改称しています。廃仏希釈の風潮が静まると十五番札所として再興され昭和45年(1970)に観音堂が再建されています。
境内には数多くの鳥居や三十三観音の石仏などが往時の札所巡りの雰囲気が残されていますが観音堂は新建材(サイディング)で建てられています。
津軽三十三観音霊場第15番札所(札所本尊:千手観世音菩薩・御詠歌:まんまんと 眺めもあかぬ 十三の潟 千年をここに まつ風の音)。祭神:大山津見神。
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