海満寺(中泊町)概要: 無縁山海満寺は青森県北津軽郡中泊町小泊小泊に境内を構えている浄土宗の寺院です。海満寺の創建は万治元年(1658)又は元和3年(1617)、当地で暴風雨が起り多くの船が難破して犠牲者を出した際、たまたま巡錫で訪れた良無玄道師が一宇を設けて供養したのが始まりとされます。
小泊観音堂の創建は不詳ですが嘉永10年(1633)、中泊町字大間柴鼻(旧柴崎城、現在の神明宮境内)に再建されたのが初見で宝永元年(1704)の大地震で観音堂は大破し、本尊の聖観世音菩薩像は津波により流されました。
その後、本尊が海中から漁師の網により引き上げられ一端海満寺に安置され、観音堂が再建されると再び観音堂に戻されました。江戸時代末期に小泊観音堂に飛龍大権現が勧請合祀され飛龍宮となりましたが、明治時代初頭に発令された神仏分離令により仏式が廃され、本尊は再び海満寺に移され、観音堂は破却、社号を神明宮に改めています。
海満寺は寺宝が多く、昭和29年(1954)に京都出身の仏師吉岡宗雲が製作した木造金箔如来立像と室町時代以前に製作され文政年間(1818〜1830年)に海中から発見された聖観音像(秘仏)、大正10年(1921)に小泊出身の仏師慶三郎が製作した木造観音菩薩像と木造勢至菩薩像が昭和58年(1983)に中泊町指定有形文化財に指定されています。
津軽三十三観音霊場第18番札所(札所本尊:聖観世音菩薩・御詠歌:見渡せば 御法も深き 海満寺 鐘のひびきに うかぶあまびと)。津軽八十八ヶ所霊場第14番札所(札所本尊:阿弥陀如来・御詠歌:たのもしや 深き恵みの 海満寺 高きみのりを 説いてひろめん)。宗派:浄土宗。本尊:阿弥陀如来 。
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